
人吉駅の北側、阿蘇溶岩がそそり立つ崖に、静かに並ぶ26基の横穴古墳があります。 その入り口には、霊を守るためと伝えられる馬や鞍、矢を収める浮彫が刻まれています。 それらは、古代の人々の祈りと美意識が、石に宿ったまま今も息づいている証です。
この作品は、宮崎が幾度となくその地を訪れ、構図に悩みながらも、 その空気と時間に向き合い続けた末に生まれた一枚です。
画面に描かれているのは、ただの風景ではありません。風化の中に残る造形の記憶と、 それを見つめる眼差しの静けさが、 丁寧に構成され、静かに語りかけてきます。
古代の祈りと現代のまなざしが交差する場所で、 絵は問いかけます——「時を超えて、ここに在るもの」を。