
天草上島の入り江にある岩場の港。 その静かな佇まいをもとに、宮崎は画面を構成しています。
波の音、岩の質感、空の光—— 自然が放つ微細な気配を感じ取りながら、 色を重ね、削り、また塗り直すという工程を繰り返してきました。
絵の中に描かれているのは、風景そのものではありません。 そこに流れていた時間、そして宮崎自身のまなざしの軌跡です。
試行錯誤の中で、港の記憶と絵の呼吸が少しずつ重なり、 静けさの中にある確かな存在感が、画面に宿っていきました。
この作品には、風景を超えて「その場所にいた感覚」が息づいています。 それは、見る人の記憶にもそっと触れるような、静かな余韻を残します。