
天草市有明町の入り江の奥に位置するこの現場には、工場や船舶が雑然と集まっており、 一見すると絵にするには難しい風景が広がっていました。
宮崎は、その複雑な構成を前に何度も構図を探りながら、 整理と再構成を繰り返し、画面の中に秩序と呼吸を生み出そうと試みました。
描かれているのは、ただの港湾風景ではありません。 混沌の中にある人の営みや、土地に根ざした働く場の気配を、 宮崎は静かなまなざしですくい取ろうとしています。
工場の鉄骨や船の影が重なり合うその場所には、 日々の労働と時間の積み重ねが確かに息づいていて、 その空気感が、画面の奥に静かに残っています。