宮崎康親プロフィール

タイトル「島の教会」の宮崎の油絵画像 2004年日展作品 F100サイズ
島の教会 2004 日展 F100

天草の海から生まれた造形詩-油絵に宿る記憶と祈り

宮崎康親の油絵作品に込められた世界観は、天草の海を眺めながら育った彼の原風景と、古代の造形美への深い共鳴によって形づくられています。

宮崎の作品は、古墳時代の石壁や素朴な装飾画の“稚拙美”を取り入れています。これは、単なる技術的な再現ではなく、人間の根源的な造形欲や祈りのような感覚を絵に込める姿勢の表れです。
天草の自然とともに育った彼にとって、石や土の質感は“生きた記憶”であり、絵の中でそれを再構築しているとも言えます。

タイトル「装飾のある古墳」の宮崎の油絵画像 1978年日展作品 F100サイズ
装飾のある古墳 1978 日展

天草の海に面した断崖や岩肌の風景は、彼の作品における色彩の深みと重量感の源泉です。その表現は、単なる風景描写ではなく、大地の力強さを“形と量感”として捉える造形的アプローチに昇華されています。
これは、自然を構造として見る視点であり、絵画を通して「地球の骨格」を描いているような印象を与えます。

タイトル「磯」の宮崎の油絵画像 2009年美術家連盟展作品 F100サイズ 
磯 2009 美術家連盟展

宮崎の作品は、やがて構造美の探求へと進化し、直線や水平線の緊張感、リズム感を重視した造形へと展開します。天草の海の水平線や、波のリズム、岩の層構造などが、彼の構成感覚に影響を与えていると考えられます。
その結果、絵画は単なる風景ではなく、力と静けさが交錯する“構造的な詩”となっています。

タイトル「島の造船所」の宮崎の油絵画像 2004年東光展作品 F100サイズ
島の造船所 2004 東光展

宮崎康親の油絵は、天草の自然に育まれた感性と、古代人の造形への敬意が融合した、力強くも静謐な世界です。
彼の絵には、石の記憶・海のリズム・構造の緊張感が宿り、見る者に「大地の声」を感じさせるような迫力があります。

1.基本プロフィール

自宅アトリエにて宮崎康親の写真2011年
項 目内 容
氏 名宮崎 康親(みやざき やすちか)
生年1930年(S5年) 
出身地熊本県天草郡苓北町坂瀬川
活動拠点熊本市を中心に熊本県各地
主な技法油彩、キャンバス、静物・風景画
所属
受賞歴
日展、東光展等入選、東光会審査員、山ノ内小など複数校で校長
水前寺幼稚園園長、大阪芸術大学講師、熊本県芸術功労者顕彰 など

2.画業の歩み

年次主な画業
1957(S32)銀光展・県教育委員会賞 
1965(S40)東光展 奨励賞
1970(S45)東光会会員推挙 熊本市教育研究所研究員
1972(S47)銀光会審査員 日展入賞「農家の庭」
1973(S48)ヨーロッパ7か国へ写生旅行(1か月間)
1978(S53)日展入賞「装飾のある古墳」
1982(S57)校長・熊本県図工・美術教育研究会会長として県下で研究大会を実施
1985(S60)新設校(山ノ内小)校長 校歌を作詩
1989(H元年)東光会審査員
1990(H2)全国造形教育研究大会実施 実行委員長
1991(H3)公立学校退職 県立保育大学非常勤講師(絵画造形) 水前寺幼稚園園長
1993(H5)日展入賞「港」
1996(H8)湖東カレッジ幼児教育学科非常勤講師
1999(H11)日展入賞「島の教会」
2002(H14)銀光会副代表 大阪芸術大学非常勤講師
2004(H16)東光会熊本支部代表 近畿大学非常勤講師 日展入賞「島の教会」
2007(H19)教育美術功労賞
2009(H21)銀光会代表 
2010(H22)熊本県芸術功労者 顕彰

*日展に幾度となく入賞するなど、画業の詳細は多岐にわたりますが、紙幅の都合上、主な活動のみを記載しています。

3.展示・活動歴

宮崎康親は、画家としての創作活動に加え、東光展・銀光展などの美術展においても中心人物として運営・審査・指導に携わってきました。また、教育現場でも後進の育成と地域文化の振興に尽力しました。
個展は、セルパン・熊日画廊・萌・県立美術館で10数回開催しています。

4.展示(寄贈)情報 県立美術館個展作品 

山鹿市平山温泉湯の蔵旅館に展示されているタイトル「装飾古墳」の写真画像

⦿そのほか、熊本市長室や山ノ内小学校などにも、寄贈した作品が展示されています。

5.作品世界をさらに深く知るための手がかり

⦿作品ギャラリー

海峡 1996 東光展 F100
木立ち 2005 美術家連盟展 F100
暮色 1992 東光展 F100

⦿生い立ちの記

私は海辺の寒村(現在の苓北町)で生まれ育った。戦争の始まりとともに小学校に入り、終戦までの8年間を戦時下で過ごした。文化の恩恵に触れることのない貧しい環境の中で、自然との遊びだけが私の感性を育ててくれたように思う。 潮の匂い、岩場の海、季節の食べ物、小鳥や虫との出会い――それらが私の原風景となり、歳を重ねるにつれ、絵の中に海が多く描かれるようになった。 初任地・健軍では、戦後の食糧難の中で自炊生活を送りながら、絵とは無縁の毎日を過ごしていた。そんな中、山田文吉先生や田辺恭一先生との出会いが、私を銀光展へと導いてくれた。 人との縁が、絵へと向かう道を照らしてくれた。板に描いた初出品の6号、手作りのカンバス、絵画人口の少ない時代――そのすべてが、今の私の礎となっている。

油絵用キャンバスには「F(Figure)」「P(Paysage)」「M(Marine)」という3つの型があり、それぞれに号数(サイズ)が設定されています。F100号のような大きなサイズだけでなく、M30号やP10号も市販されており、制作目的に応じて選ばれています。
本サイトでは、サイズ表記に「F100」「M30」などを添えることで、作品のスケール感や構図意図がより伝わりやすくしています。

号数Fサイズ(mm)Pサイズ(mm)Mサイズ(mm)
10号530 × 455530 × 410530 × 333
30号910 × 727910 × 652910 × 606
100号1620 × 13031620 × 11201620 × 970